リーダーが率先垂範する際、やってはいけない3つのポイント

2019年10月27日 VOL.78

多様化人財対応の専門家 谷口彰です。

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一生懸命に率先垂範しているのに、なぜ部下はついてこないのか?

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というご相談を受けました。

リーダー・経営者になり、「リーダーシップ」系の本を読むと、リーダー・経営者に必要なのは『率先垂範』と書いてあります。


しかし実際は何をどうすれば、部下はついてくるのでしょうか?


今日のテーマは「率先垂範する際の、上司の心構え」です

私は、いかなる場合も「まずは部下との信頼関係が必用です」とお伝えしました。

上司がいかなる行動をとるにしても大前提は部下との信頼関係が必用です。

率先垂範と言えば、山本五十六さんの言葉



やってみせ、言って聞かせて、 させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。


 話し合い、耳を傾け、承認し、 任せてやらねば、人は育たず。


やっている、姿を感謝で見守って、 信頼せねば、人は実らず。




一般的には最初の1行が有名ですが、実はその後の2行のが本質です。

有名は言葉ですが、この本質的は意味を理解している人は(私を含めて)何人いるのでしょうか???

率先垂範「やってみせ」の失敗例



最初の1行では、「やってみせ」とあるので、上司はとにかく やって見せることに重きを置きます。


その際によくある「部下から失笑される」やってみせ ですが、

自分の得意分野を得意げに見せる



これらは、「やってみせ」ですが、心の中では、「どうだ! 私はこんなに経験があり、色々とできるんだぞ!」と部下を見下す(私はすごい!)オーラが出まくっています。


部下の対応としては、「うわ! さすがですね。こんな技ができるなんて知らなかったです」との対応が典型的であり、その後は、「上司の得意分野に踏み込むのは止めよう。対抗心を燃やされたら厄介だならな・・」となります

先輩として細かい事を教える


同様に細かい事を教える上司が居ますが、上司の役目は部下を育てることですから、概略(方向性)を教えて、あとは部下に任せ、遠くから見守りながら、大きく間違えた時に(大きな失敗をする前に)サポートするのが真の上司です。


なぜ上司が上司になれたのか? それは過去にいくつかの失敗をして、その経験があるからこそマネージメントが出来ているのにも関わらず、部下にはマイクロマネジメントで重箱の隅をつついていては、部下は成長せず、反対に上司を避ける、という最悪の状態に近づいていきます。

本当に背中を見てください、と一人でひたすら見本を見せる


ある上司でした・・。エクセルがまだ珍しい時に、すでにエクセル関数を得意とされている方がいて、教えてもらおうと思っても、「大丈夫、やってあげるから・・」とテキパキと作業をしてもらい、あっという間に資料が出来ました。


勉強したいので教えてもらえませんか? と言ったら、安心して! いつでも作業してあげるから! 

と絶対にエクセル関数については教えられません という態度でした。いつも作ってもあり感謝していますが、本当は私は教えてもらいたかったのに・・


自分の実力を見せてもらっても、それを学ぶ機会をもらえなければ、部下はどうすればよいのでしょうか!
(幸い、その後はエクセル関数の解説書がでたので、それを先生にして学びましたが)

率先垂範:「やって見せ」 大人としてのあるべき姿


上司は部下に多くの指示をしますが、大切なことは、上司は大人として当たり前の事ができることです。


簡単なことです。

  • 朝は大きな声で挨拶をする
  • 間違ったら・失敗したら謝る
  • メールは短く手良いので、返事をする
  • 助けてもらったり、お願いに対応してもらったらきちんとお礼をする


本当に当たり前のことですが、なかなかできていない人がいますね。


上司ではなく、それ以前の大人として、すべきことができないのであれば、どんなに業務成績が優秀でも部下はあきれて信頼以前の問題です。

率先垂範:「やって見せ」 組織のリーダーとして部下を守る


日々業務をしていれば、いくつかの失敗があります。


それ私の監督範囲外だからね!

(報告後)私は聞かなかったことにするからね! いいね!


人身事故が発生した際、(上司は)私が出ていって収集つかなくなるとまずいから、まずは(部下の)あなたが対応しなさい、と言いつつ、一回も現場に顔を見せなかった

評価会資料の直前確認で、いくつかアドバイスをもらったが、当日は資料をまだ見ていないことにしよう。(意味不明、資料の質が低いと指摘されたら、部下がやったので・・と言うのか?)


これは、私のサラリーマン人生で直属の上司からいただいたありがたい言葉です。


ですから、私は部下に対して業務の権限委譲をできる限りしますが、クレーム対応・利害対立等については、極力最前線に近い処で、部下に指示を出し、必用に応じては即その場に行けるように準備はしています。


仕事から逃げる上司に信頼を持つ部下など一人もいません!

率先垂範:「やって見せ」で、個人的に尊敬される上司であるべき


一言で言うと、上司の生き様は部下から見て魅力的か? です。


仕事はキレて、部下を守り、業務指示は分かりやすく、プライベートでは趣味を充実させ、でも忙しい中でも自己啓発の時間はしっかりと持っている。


というスーパー上司が居たら、頼もしい、嬉しいですし、モデリング対等として、生き方の一部を真似てみたいとは思いませんか?


このような「生き様」つまり、バランスのとれた人生を過ごしている上司は「やってみせ」のお手本ですね。


私の友人の管理職のNさんは、キャリアコンサルタントの資格を持ち、部下の相談には積極的に対応し、休日はキャリアコンサルタントの勉強会、または、企業での講演会などをこなしています。本当に忙しそうですが、本人曰く「色々な機会をもらえて、人生のチャンス!」といつも明るいです。


そのNさんの周囲にはいつも若手が集まり、情報交換や相談事の相手をされています。

些細な事でもいつも真剣勝負で対応しているので、Nさんのファンは多く、会社のボランティアイベントでも、Nさんが声を掛ければいつでも若手は集まってくれます。本当に強い信頼関係で結ばれています!


上司は業務ができて当たり前。だから上司なのです。

さらに業務以外に、何か打ち込んでいる姿は、部下からするとある種の尊敬と憧れを持って接してくれるので、自然に信頼関係は構築されてきます。


部下は本当によく上司を観察しています。


付け焼刃は無駄です。すべて部下は把握しています。


リーダー、経営者の方が、自ら自己啓発・成長する機会を持っていることは、組織の目線を高く維持することになり、とても部下が活性化していきます。


あなたの下で働きたい、と言う部下は何人いますか?


リーダー・経営者の皆さん、正しい率先垂範をしていますか?


特に皆さんの「生き様」は部下との信頼関係を構築する際にとても重要は要因となります。


自己を高める何かを是非初めて継続してください。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

良い一日でありますように!



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