「褒められて伸びるタイプ」への効果的な対応とは?

こんにちは! 多様化する人材対応の専門家、谷口彰です。

最近の若い方々の自己紹介では、「褒められて伸びるタイプです」のメッセージを多く聞く機会があります。


時代の変化と、その「褒める文化」に対応していかなくてはなりませんね~と「昭和組マネージメント」の方々はお悩みが多いようです。


昭和世代の方々は、「褒められて・・・」などとは言ったことはない、との事ですが、「褒める」時代になったのであれば、しっかりと褒めましょう!


でも具体的にはどうすればいいの? というお問合せが多くあるので、


今日のテーマは「褒める」についてまとめました。

good job

 

なぜ褒めることが大切なのか?


皆さん、昔を思い出してください。


褒められる事、叱られる事、叱咤激励された時、




あなた自身として、どれがその後の気持ちがポジになりましたか?



私は新入社員の頃、部長(当時の部長は本当に神様のようで、めったに話をする機会はありませんでした)がブラっと私の机に来て、

「谷口君、今何の仕事をしているの?」と急に聞かれ、慌てて自分の担当業務を説明しました。


部長からは「谷口君のその一生懸命さが、お客様の満足につながっているんだね!これからも頑張ってください」


と言われました。



当時は、その一言で、「私は部長に認められた。これからもお客様満足を高めることが私の仕事だ!」とその興奮状態はほぼ1か月ほど続きました。


昭和世代は、褒めてくださいとは決して言いませんが、実は褒めてもらいたい、が本音であり、人間は誰でも褒めて(認めて)もらいたい、という感情はあります。

脳の仕組みから褒められる効果を理解する

 好意の返報性


もしあなたが褒められた時、どんな気持ち・感情を持ちますか?


この人は私に悪意がある、とは思わずに、



褒めてもらえた⇒この人は私に好意がある(関心を向けてくれている)という安心感


を感じると思います。



ですから、褒められた人に対しては、脳の対応としては好意的な対応を取る傾向が強まります。



逆に、褒められた人に対して「バカやろ~」的なマイナスの感情は持たない、という事です。

 

 報酬系システムの「快感」



脳には報酬系と呼ばれるシステムが存在します。



その仕組みは


① 褒められることで、脳内でドーパミン効果で「快感」を味わいます。


② 脳はさらに「快感」を得やすいように、 自らの構造を変えていく傾向があります。



例えば、 「短納期で複雑・難易度の高い仕事を達成した時」、上司・周囲から褒めらて、ドーパミン「快感」が強かった時、その同等・それ以上の「快感」を再度求めようとして、仕事へのさらなるモチベーションが高まります。



また、介護の現場では、脳卒中なので歩行困難な方が、リハビリで少し歩けるようなり、それを褒められとドーパミン放出による「快感」を得て、さらに歩けるようになりたい(さらに快感を得たい)と脳と全身が歩けるように変化していく、と言われています。それほどドーパミン「快感」は強いものです。



昔、子供に自転車の乗り方を教え、片輪補助輪が取れた際、大喜びで一日中自転車に乗っていました。


それほど、補助輪が取れたこと=一人前のお兄ちゃんになれて嬉しい=褒められて「快感」を味わった、という方程式があったのですね!



しかし、この「快感」を、短期的なアルコール、薬物、スイーツ、スマホ、ゲーム、ギャンブル(パチンコ等)で得てしまうと、それらへの依存度が高まり、心身ともに崩壊してしまう可能性があるので、気をつけなければなりません。

 

褒められる効果とは

「好意」と「快感」を味わう


あなたが褒めることで、相手があなたに「好意」を持ち、さらに「快感」を求めて、モチベーションを高めていく。


もしこれが日々あなたの職場で起きたら、素晴らしいとは思いませんか?



それとも日々、怒りの感情とマイナスのモチベーションを抱えながら仕事をしたいですか?


ライフワークバランス、残業規制などで業務の効率化が求められていますが、「快感」状態と怒り(不満)状態ではどちらが効率が上がるでしょうか?

 褒められる行動の習慣化



昭和の話ですが、小中学校では、授業中にクラスでちょっと悪ふざけをすると、



先生から「廊下で立ってろ」とか、クラブ活動では、意味もなく「グランド10周」と先輩に言われ、なんでこんなことをやっているんだろう~と思い、気持ちが萎えていました。



結果として相手に対する反発心しか生まれなかったです。


憎むことはありませんでしたが、相手の思考回路が良くわからずに、近寄らないほうが良い人、という認識を持ち、信頼のかけらもない、ということを覚えています。




逆に一度褒められると、悪い事(褒められないこと)をしにくくなります。



期待を裏切らないという意味ではありませんが、人間は 褒められた行動を繰り返したくなり(いづれそれが習慣化)、逆に褒められない行動はとりにくくなります。(行動パターンの定着化)


小さな子供は、一度褒めると、もう一度褒めてもらいたくて、何度も同じことを繰り返します。最後は大人が飽きてしまうほど何度も褒めてもらいニコニコ顔です。

 

 

具体的な褒め方はこれだ!

 心をこめて褒める


私は良く褒めますよ!と言われる方に、普通の会話のように、あまり感情を込めずに、「よかったね~」と何気なく言う方が居ます。



しかし、せっかく褒めるのであれば、心を込めて褒めましょう。



心を込めるって何? ですが、しっかりと相手を意識して、関心を持っていることが大前提ですね。



逆に普段は全く意識されていない方から急に褒められると、何かある!?って疑いたくなりますから・・

 すぐほめる+具体例をつける


部下の対応がいいな、と思ったら、その場で褒めましょう。



別に華美な修飾語をつける必要はありませんが、単に定型の 「すごい」「さすが」「素晴らしい」 では、相手から「ああ、いつものフレーズだね」と思われてしまいます。

 



ですから、「この資料見やすいね!」とか「うん、その表現はよくわかったよ」「あっ! そういう理由だったの。理解しました!」などです。



その瞬間に「一言」つけくわえるだけで、その事に注目した、大きな「褒め」となります。
 

 チームメンバーの前で個人的に褒める



褒める際、とくに大声を出す必要はありません。もし上司が近くに来れば、なにを言うのか? は部員が耳をダンボのように大きくして聞いています。


そこで 「昨日、作成してくれた資料を使って会議したら、内容が分かり易くて短時間で会議が終わり助かったよ」 


などの事実をありのままに伝えると、その言葉自体には大きな褒めが無くても、みんなの前で、上司が部下を褒める、ということ自体が、大きな「褒め」となり、本人のモチベーションは高く保たれます。

 第三者の声として伝える


第三者とは、知名度がある人があなたを褒めていた、というメッセージを伝えることです。



(例えば)部長が・・専務が・・副社長が・・社長が・・○○で君のことを△△がいいね!と褒めていたよ、と伝えます。



上位職が君を○○で褒めていた、という事実をありのまま伝えることが、本人にとっては大きな褒めとなります。でも実際は、あなたが上位職者の前で部下のPRをして、それで褒めてもらえる、という流れ(裏での調整業務)もあります。



『 やっと評価会 がおわったけれど、事前チェックで部長から指摘を受けた箇所を直してもらったけれど、評価会が終わって、谷口が修正した箇所はとても見やすくて、評価者もうなずいて資料を見ていたよね。よかったよ』って部長が言ってたよ。遅くまで頑張った甲斐があったね。


などはとてもモチベーションをあげる一言です!

 

 メールなどで 一言メッセージとして褒める



地方、遠隔地などで勤務する社員が優秀なアウトプットを出した、という情報を入手したら、SMSで

「契約おめでとう!」などの一言メッセージを送ることで、相手への関心と感謝があることを伝えます。



特に遠隔地で働く社員は、とかく一人での事務所勤務が多いので、他からのメッセージはとても励みとなります。



 

褒める習慣をつける方法


と、頭で理解してもなかなか口にすることは出来ないでしょう。



「褒める」ことは慣れです。何度か使う事で、自然に褒めることが出来ます。



特に昭和のマネージメントに「褒める」は選択科目で、必須科目ではなかったので、まだ褒め慣れていない方が多いと思いますが、平成・令和は褒める=重要な必須科目なので、是非練習して会得してください。


是非この2点で練習してください。

相手を観察して、良い点(褒めれるポイント)を見つける方法

  
まずは、こちらの記事で解説しているのでご参照ください。

  

嫌な上司でも、毎日観察しつづけると、相手の良い点を見つける方法を書きました。

  

関心をもって(意図を持って)相手を見る(観察する)ことで、相手の褒めるポイントが見つかります。

 

毎日褒める言葉を決めてつかってみる方法


褒める言葉を(1つか2つ)決めて、それに合う場面で使ってみる



まずは褒め言葉を決めます。例えば「ありがとう」「助かりました」とします。


えっ それが褒め言葉? と驚かないでください。



こんな基本的な挨拶(褒めの一種です)すら普段していないのではないでしょうか!!



昭和マネージメントの行動パターンとしては、「ウム」と頷いて終わり、ですから・・



そして、朝一番で、「今日はこの2つを使う」と決めたら、それを使える機会を捜します。



簡単そうでなかなか声がでません。中学校の時、好きな子に「コクル」ほどの勇気が最初は必要です。



特に普段から褒めることをしない=相手に対する関心が少ない、ですから、褒めるために相手に関心を向けることが重要です。(本来は相手に関心があるので、褒める言葉がでるのですが・・)



きっと、使える機会はあっても、声に出せないと思います。しょうがないですよ。何年も使ったことがないことばですからね。



でも「褒める」に焦点を当てて行動するようにすれば、声がでるようになってきます。
これは本当に訓練です。




最初の「ありがとう」「たすかりました」の挨拶的・褒めるができれば、あとはバリエーションを増やすだけです。

 



上記「具体的な褒め方はこれだ」を参考にバリエーションを増やして、自然と褒めることができる「体幹作り」をつづけてください。



そうはいっても、褒めるだけでは人は育たない、と信じている方へのアドバイスですが、



褒める3に対して、叱咤激励系1が黄金比です。



もしどうしても叱咤激励したい、とムズムズしてきたら、まず3つ褒める点をみつけてください。

最後に


昭和の人間としては、上司に褒められることはめったにありませんでしたが、



新人のころ、部長に褒められて(今、冷静に考えると、ただ声をかけてもらっただけですが)ドーパミンが出まくった記憶があります。



それから褒めること、褒められる事に興味を持ち、私なりに実行してきました。



今は褒める時代、自己紹介で「褒められて伸びるタイプです」があたりまえですね。



昭和からすると「何だ!」と少々呆れますが、平成・令和の時代ですから、時代に合わせたマネージメントが必要です。



ただ、褒めてくださいに対して、ただ褒めてもだめです。本当に自分が心で褒めたい、と思ったときに、その思いを声にして伝えることをしないと、相手から見透かされます。



相手は、生まれながらの 褒められて育ってきた世代ですから。褒められるプロ世代です。



是非心からの褒め言葉を部下に送って、チームをドーパミン快感であふれる組織作りをめざしてください。



め言葉のコストはゼロです。上司であるあなたの気持ち次第ですから

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