会社の経営理念を定着させる部下との面談ポイントとは?

こんにちは! 部下とのお悩み解決専門家、谷口彰です。

経営者の方から、「自社の経営理念がなかなか浸透しないが、どうしたらよいか?」とのご相談を受けるケースがあります。

「“経営理念”を読んだら、翌日から行動が変わり、業績もアップした」というお話はあまり聞きません。

むしろ経営理念の浸透には手間をかけて、多くのスタッフとの対話が必要となります。

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経営理念はどう浸透さえればいいのだろうか?

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今日のテーマは「経営理念の定着方法とそのヒント」です。

経営方針を定着させる方法として、“毎日朝礼で全員が理念を唱える”という会社は多いですね。

私は、入社以来毎日・毎朝経営理念を意識することを日課にしている、ある企業の部長とお会いしたことがあります。

経営理念の目的は何か?

その部長はとても誇らし気に「社員全員が経営方針のすべてを暗記している。

暗記するほど毎朝で全員が唱えている」とおっしゃっていました。

そこで部長さんに一つ質問をしました。

「経営理念の目的は何でしょうか?」

「もちろんそれは、経営理念を全員で理解し、経営理念に基づいた行動・対応を行いうことです。地域社会に貢献し、結果的に会社の利益アップにつながっていくための会社と社員の支柱です。」

それをお聞きして、部長さんのご理解は深いことは分かりました。次に“どのようにして、その経営理念を日々行動に落とし込んで切るのか? ”をお聞きしました。

部長の回答は、「日々の行動は、各自が経営理念に則り対応しているから心配ない」でした。

それを聞いて、私は最後の「社員は経営理念に則り対応している」がとても気になり引っ掛かりました。

社員は本当に日々経営理念を判断基準として行動しているのでしょうか?

経営理念は実践して初めて本物となる

では、「具体的にはどのような施策が、経営理念に基づき発案され、行動・実践されているのでしょうか?」 と質問しました。

お答えは、すべての行動は経営理念に沿っている“はず”とのことでした。

勘の良い方は、すでにお気づきですね。

私はその部長に「部下より5つの経営理念実践事例を集めて教えて下さい」と依頼しましたが、なかなか5つの例が私とシェアーされることはなかったです。

この事例は何を語っているのでしょうか?

よく研修で話される代表的な話として、

「社長が火の用心と言い、役員が火の用心といい、部長が・・・担当は、火の用心は大切だ」と何度も聴いているけれど、消火訓練をする、避難経路を確認する、消火器の使用方法を学ぶ、などの具体的な行動は全くしていなかったという話です。今回の例も同じ事なのです。

経営理念を定着させる方法とは?

理念を定着されるには? これは企業でも、チームでも大変な作業です。

何が一番大変なのでしょうか?

難しいところは、“どのようにして理念を日々の業務と結びつけるか”です。日々理念を意識しない限り、定着は困難とは言いませんが、かなり難しいと思います。

以前、私が働いていた会社の全社方針として、「存在を期待される企業になる」という会社としての理念が発表されたとき、これは大変だと思いました。

なぜなら、相手によって“期待”が異なるからです。

私は“10人相手がいれば、10の期待があるのか?” と考えました。

しかし、いつまで考えても相手の期待を100%理解し、事前対応することは困難と思い、その都度考えれば・・と少々妥協しました。

それからある日、部下から「○○部署から△△の要望ありましたので、取り急ぎ対応済みです。」という報告を受けました。

私は「○○部署は我々に何を期待しているのかな? だから“取り急ぎ対応済”は相手の期待に応えて、かつ存在を期待される部署と相手は思ってくれているのだろうか? 」と毎回部下へ質問をしていました。

もちろん、人物金には制限があるので、全てを対応することはできません。

ただ、“すべき論”ではありますが、「相手は私に何を期待しているのだろうか? この対応をしたら、今後“存在を期待される部署・人”になれるだろうか? 」を自問自答することは、組織の本質=理念を考え続ける事としては大切だと思います。

経営者が日々経営理念を質問する

経営者の方が日々、社員と理念を語り合う、ということは重要です。現実的な対応ですが、例えば役員会で、今後の方針、新規事業などが議論されると思います。

その際、この案件は経営理念視点からすると、何が理念に合致している点なのか?

この施策が成功すると、会社の理念は実現するのか?

などの質問を随時発することで、「経営理念との結びつき」を意識する機会が増えて、社内への経営理念の浸透は深まります。

経営者は経営理念で説明する

社員は経営者の一挙一動に注目しています。

関心事項は? 発言趣旨は?

以前あるスタッフからこんなことを言われました。(以前働いていた会社での出来事です)

「今朝の朝礼の話ですが、先月XX日の朝礼の話と連動しており、とても参考になりました」

本当に申し訳ないのですが、私は朝礼で何時どんな話をしたか? を明確には覚えていません。ただ、以前の朝礼の内容を聞いて、思い出しました。

幸い、話の趣旨は一貫していたので、問題ありませんでしたが、発言をしっかりと聞いて覚えている社員が居ることに感激し、かつ発言内容や“エピソード”は覚えてもらえると認識しました。

それ以来お話をする機会があると、“エピソード”に経営理念との結びつきがある話をするようにしています。

経営理念だけを話せば、「ああ、理念ね。知ってますよ」で終わってしまいます。エピソードとしてお話すれば、そのエピソードに関連して経営理念を意識してもらえるようになります。

ご参考までに、エピソード、と言っても大袈裟な話ではありません。身近は話と経営理念をむすびついているエピソードは、社員に強く印象として残ります。

例えば・・

経営方針として:「創意工夫」が掲げられている のであれば

先日工場視察をした際、30歳台社員が、ちょっとした治具を作って作業していました。その治具は会社支給ではない治具なので、聞いてみると、

「この部品取り付けの位置決めに時間がかかっていたので、簡単な治具を作って位置決めをしています。素材はソフトなものを作っているので、製品表面に傷がつくこともありません」との事。

ああ、社員の皆さんはこのように日々創意工夫をして、製品品質維持と時間短縮を自ら対応している。

この社員の姿を見て、わが社にはまだまだ創意工夫する余地があるんだな、と気づかされました。皆さんもまずは、身近なところで、困ったこと、やりにくい事があれば、それは創意工夫のネタになります。どんどんチャレンジしてください。

などです。

最後に

経営者の皆さんは、日々多くの方と接しられてお話をする機会があると思います。「経営理念との関連のあるエピソード」をお話いただけると、社員の方々も経営理念の具体例を聞くことができ、リアルな世界での経営理念の反映を意識してもらえると思います。

是非ご参考にしていただきたく思います。

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