コミュニケーション能力を高める ドラッカー4の教え

 

2019年7月22日 Vol 044 



こんにちは。

多様化人財対応の専門家 谷口彰です。


多様化人財対応として傾聴の重要性を伝えていますが、別の視点から、経営学者であるドラッカーが解く、コミュニケーションの教えを説明します。



ドラッカー曰く、「コミュニケーションを成立させるのは、受け手である」



重い言葉ですね。相手がいるからコミュニケーションは成立するのです。



今日のテーマは「コミュニケーション能力を高める」です


経営学者であるドラッガーの本を読むと、多くの経営にたいする著書があります。


そのなかで コミュニケーション についても書かれています。



その一つの例として、禅の公案にある


木が倒れても、 それを聞く人がいなければ、 音はしていない」



をあげて、この「音」こそが コミュニケーションの 本質だと言っています。



つまり、音を発しても聞く人が居なければ、コミュニケーシは成立しない、という意味です。



良く世間で言われる、「あの人はコミュニケーション能力が高い」という人は
話が面白い、人を引き付ける力を持っている、いわば「明石家さんまさん」のような人だと思います。



しかし、ビジネス界では、(もちろんさんまさんが会社に居たら大いに盛り上げりますた)下記の4原則です。


ドラッカーが記したコミュニケーションの4原則



「コミュニケーションとは要求である、期待である、知覚である。そしてコミュニケーションとは情報ではない」について説明します。

コミュニケーションは「知覚」である



知覚:自分と相手との差をきちんと理解・把握し、相手に合ったコミュニケーションをすること。


例としては 英語がわからない相手に、英語で話しかけるな、とあります。



リーダー・経営者の方が社内にメッセージを伝える際、どんな言葉を使っていますか?広報部・経営企画部が作成した言葉をそのまま使っていますか?



その言葉は日常的に社員の方が使っている言葉ですか? 相手が理解できる言葉でメッセージを発信していますか?



また、大きなプロジェクトで多数の部門で構成されている際、全員が分かる言葉でお互いのメッセ―ジを発信していますか? 


営業だけが使う言葉、企画だけが使う言葉ではないですか? (英語がわからない相手に、英語で話しかけてはいませんか?)


当たり前ですが、言葉が違うとコミュニケーションは成立していません。



ましてや、人材が多様化する組織で、全員が理解できる言葉を見つけ、話しかけることが、多様化対応となります。



ですから、会社として大きなメッセージを発信する際は、多様化代表(大袈裟ですが)として、老若男女・外国人社員などを事前に集めて


「この文章は理解できますか? どう理解しましたか?」などの事前確認が重要となります。

 

コミュニケーションは「期待」である



期待:期待を裏切らないコミュニケーションをすること



まず伝える前に、相手は何を期待しているのか? を明確にすることが大一歩です。



ビジネスのやり方がうまくいっていない。よし考えよう。これで行こう!
そしてみんなを集めて、新方針の発表・・はよくある流れですね。



でも、部下は今のビジネスの流れについて、どう感じ・どう変化させたいと思い・上司にはどのよう
サポートをしてもらいたい、と「そもそも」おもっているのでしょうか?



上司としては、よりよい職場作りと作業手順の改廃はしなければなりませんが、
一番重要なのは、多様化人財は要求が一つではない、という事です。



1の知覚であるように、相手は何語を話すのか?(英語?日本語?関西弁?九州弁?ヒンズー語?) 相手の多様化している要望をきちんと理解し、それぞれを包括的に対応できる対応策を練っていますか?



すべての多様化要望に応える必要はありません・出来ないかもしれません。
ただ重要なことは、多様化人財は今何を考え・何を求めているか? を自ら知ることです。



相手の興味・趣味・関心事項・価値観などの関心に関心を寄せる


という行動は、雑談を生み、時間の共有化、そして信頼関係のベースを作るうえで非常に重要な「関心」です。

コミュニケーションは「要求」である



期待:相手の期待は何か?の範囲を明確に理解する



コミュニケーションをとる理由は、相手に何かをしてもらいたいからです。
そして、相手が私の話を理解してくれた際、わたしの欲求は満たされます。



その際、私の話内容(私の要求)は、相手の受け入れらる許容範囲であり、価値観的にも受け入れることが出来たからです。



もし私の話が今日範囲外・価値観的に受け入れられない、という場合は要求は却下されます。



日本では、あまり明確な要求をせずに、
ちょっと・・これおねがいしたいのですが・・
はい・・前向きに対象いたします・・



の会話があり、要望は何なのか? に対し 答えはYesかNoか? いつまでに何をすればよいのか? が不明確ですが、「双方合意」などと喜んでいます。



人財の多様化社会では、阿吽(あうん)は危ないですね!



日々の会話から相互に何を考えているかの情報交換が必用であり、大前提としては、誰も私と同じ考えをする人はいない、とすれば、実際に異なっても大きな驚きと落胆が少なくて済みます。



そして、要望する際に、これは相手の範疇内で受けてくれる。またはきっと受けてきれないから、別条件を付けて受けてもらおう、などの多様化理解が必用です。

コミュニケーションは「情報」ではない



情報ではない:情報は人間的感情を除いたほうが、正しく相手に伝わります。



しかし、コミュニケーションは、相手と話したい、という感情と相手を理解したい、という気持ちがあれば成立します。



ですから警察の事情聴取はコミュニケーションではありませんね。情報収集です。



ですが、日々いたるところで「事情聴取」が行なわれています。
週末はどこに行ったの?  草津温泉です。
どうだった?       家族が喜んでくれました。
何が一番よかったの?   妻は温泉ですが、子供は饅頭でした。
奥さんはなんて言ってた? 久々でゆっくりできたし、家族の時間もあったね
週末を振り返って何を思う? 家族で時間を過ごす大切さですね。
              この家族がいるから、また頑張れる!と思います。
それはよかったね。次の週末も充実させてね!



という相手を思った会話と



週末はどこに行ったの?  草津温泉です。
どうだった?       家族が喜んでくれました。
何が一番よかったの?   妻は温泉ですが、子供は饅頭でした。
温泉の名前は?
値段は?
帰りは道路が混んでなかった?
どの裏道つかったの? あとで教えて!



という、自分のための情報収集



一見どちらもコミュニケーションの様に見えますが、全く違いますね。
皆さんのコミュニケーションは、どちらが多いですか?

 

まとめ




コミュニケーションと言ってもただ、相手と言葉を交わすことだけではありません。



「コミュニケーションを成立させるのは、受け手である」であり、多様化人財社会では、「受けて」の生活環境・価値観も大きく変わっています。

何ら恐れることなく、気楽な気持ちで 相手の関心事項に「関心」を持つことで、さらなる多様化人財対応のネタがつかめます。

 



それが多様化人財対応の第一歩です。



リーダー・経営者の皆さん、真のコミュニケーションを積み重ねましょう


今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。


よい一日をお過ごしください。

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