若手社員の離職を防ぐ、2つのキーワードとは?

2019年8月2日 Vol. 048

 

厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」の調査結果(18年)によると、大学を卒業し、新卒で入社した若手社員の31.8%が3年以内に会社を辞めています(高校卒業者はさらに高く、39.3%)。

採用活動は会社にとっては大きなコストです。また折角仲間になった若手社員が短期間で去っていくのはさみしいものです。

若手に仕事の重要性を説いて、仕事を楽しめる環境を提供していくには??

今日のテーマは「若手社員の離職を防ぐ重要キーワード」です。

多様化する人財対応の専門家 谷口彰です

先日お世話になっている経営者の方からご相談のお電話をいただきました。

若手社員が辞めていくけど、何か良い防止策はないか?
退職理由は給与、福利厚生などになっているが、本当にそれだけなのか?
折角仲間になってこれから・・というタイミングで辞められると凹むわ!

との事。

経営者の方の社員の方とはヒアリングする機会がないので、私の経験談を
お話しました。それは・・

社員はロボットではない

未だに会社を高校の運動部の様に勘違いしている管理職の方々がいます。

取り敢えずこれやって! 当面は我慢だな

(これは製造業・物流業の一例ですが)新入社員が配属され、まずする仕事は・・その部門の中での環境が厳しい職場です。

暑い・重い の職場です。 でもなぜ新入社員が個々に配属されるのか?

ほとんどの理由が
・私も新人の時に経験したから
・厳しい環境にまず慣れてもらったほうが、後々楽だから

などという本当に理由にならない理由です。

でもさらに何故? 聞けば「例年、新人は取り敢えずこの仕事を経験するんだから!」
という全く論理的に説明できない内容です。

それこそ、先輩たちがつらい、と思ったのであれば、それを改善すれば
よいのですがそれもせずに(改善する能力とパワーがなかったのか?)
「取り敢えずここでやってね」という一言で片づけられてしまします。

人間は能力があり、感情があります。だからリーダー・経営者には、
なぜこの仕事をするかをきちんと説明する義務があります。

新人社員は理不尽は扱いには、ロボットのように従順ではありません。
きちんとした説明が必用です。

小さな成功から始める

人間だれでも、自分の成果を認めてもらいたいです。
しかし、上司・先輩が苦労した職場に、そのまま新人社員を送り込めば、
理由なき指示には大きな疑問を抱く」世代には、取り敢えず・・は禁句ですね。

もしそのような職場に配属しなければならないのであれば、
・ここは環境が厳しい職場です
・あなたたちの感性で、どう職場改善をすればよいのか?是非考えて提案を
 してもらいたい。
・評価会は〇月△日 評価者は A課長、B部長 
 皆さんは提案書作成は初めてだから、そのサポートとしてC主任が担当。
・若手の斬新な視点での提案を期待しているからね!

などとテーマを与え、サポートをしっかりやり、きちんとしかるべき人が
評価会をすれば、どんなテーマでもやらない理由がありません!

要は、どうやって「普通の仕事」を「やりたくなる仕事」に変えていくかです。これは、リーダー・経営者の人財育成の方針に大きく依存します。

このようは小さなテーマ ⇒ 小さな成功 ⇒ 周囲からの小さな承認 ⇒
小さな自信 ⇒ 仕事って面白い・次は何に挑戦できるのだろうか とおもってもらうプロセス作りが大切です。

「仕事って面白い」サイクルをどう周囲が作り上げていくか?
これは会社のDNA(というか雰囲気・当たり前の文化)とすれば
若手を含め、会社全体が盛り上がり、離職率減少・業績アップへと繋がっていきます。

 

働き甲斐いとは「仕事が重要」であり、
そこに「意義」を感じるか

全員が適正配置はとても困難

社員が10人いれば、10人それぞれの職種希望がありますが、一般的にそれを即実現することはほぼ不可能です。
製造業であれば、ほぼ全員が一番売れている地区の商品企画をやりたい!と言いますから・・

では、商品企画に行けずに、経理に配属となった人はどう自分を納得させるのでしょうか?

(以前同僚だったTさんは、商品企画を希望していましたが、経理に配属となり、経理担当部長になった今でも、商品企画やりたんだよな~と冗談半分で言い続けています。)

もちろん経理が重要なわけではありません。
会社にとって、管理会計・財務など、経理・財務部門が管理を失敗したら、会社は潰れます。

(以前管理職研修で、会社経営ゲームをチーム対抗で行いましたが、我々チームは売上断トツ一番でしたが、最後にキャッシュフローが回らなくなり、黒字倒産しました。投資過多でした・・ゲームで良かったです。汗かきました)

Tさんは早くから経理の重要プロジェクトに参画し、その仕事の「会社における重要性」を自ら肌で感じ、また上司からも薫陶を受けていたので、今は頭のてっぺんからつま先まで100%経理マンです。

このように早期に担当している仕事の重要性に、周囲が語り、自らが感じることで、たとえ仕事の適正配置が実現しなくても・どんな仕事であっても「この仕事は重要である」と感じることができれば、働き甲斐を感じることができます。

これは意義深い仕事です

私の最初の仕事は自動車会社のアフターセールス担当で、補修部品の倉庫が最初の勤務地です。

学生時代の同期が、某商社の本社に配属、某銀行の港区支店に配属・・と聞いているなか、「ああ、私は倉庫番か」と凹んでいました。

当時の上司のH主任は、そんな私を見て
「車を買った人が、事故などにあって車が故障し、修理が必要になった時、会社としてはどうすればいいかな?」
とシンプルな質問をもらいました。

当時新入社員で車を持っていなかったので、その質問意図を十分に理解できませんでしたが

お客様は我々の車を選んでくれた。毎日乗って楽しんでもらっている。事故で車に乗れないとお客様は楽しめないし困る。その困った時間を最短にし、お客様が、元通りに修理された車を見て、あっ良かった! と思ってもらえるようにするのが我々の仕事。

あっ良かった! と思ってもらえれば、また我々の車を選んでもらえる。営業の仕事は最初の1台を売ること。

でもその方が2台めを選ぶときは、我々のサービスがよければ絶対勝ってもらえる。だから あっ良かった! と思ってもらえるようにするのが我々の仕事。 大事だよね~

と説明してくれました。当時はその意味を十分に理解できませんでしたが、なぜかその話を聞いて、体が熱くなった記憶が鮮明に残っています。

それから、私の仕事は2台目を買ってもらう事だ! と思えるようになってからは、仕事が楽しくなり、サラリーマン36年目を迎えています。

本当にH主任には感謝しています!

 

どんな職場でも相手が納得できるストーリがあるか! 決まります。

リーダー・経営者の皆さん。感動ストーリーを思い出して、それを若手社員に語ってください。必ず何かの変化が起こります!

 

今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
良い一日でありますように!

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