『JK、インドで常識ぶっ壊される』という女子高生のインド文化本を読んで、インド文化ネタをおとどけします

『JK、インドで常識ぶっ壊される』は、インドにおける駐在員生活を知るには最適の本!です。

 

インドについてはなんとなくイメージはあるけれど、突然暮らすことになったらどんな生活が待ってるの? 

カレー、ヨガ、カースト制度、インド映画、カオスなど・・・。 

今回は、日常の駐在員家族生活を知るのに最適の本  

『JK,インドで常識ぶっ壊される』 熊谷はるか著  

について紹介します。 

私は新聞の書評で知りました。  

第16回出版甲子園大会史上初となる高校生でのグランプリ受賞作品である、とのことです。 

タイトルに「JK」とついているので、なにかぶっとんでいる内容か? 

(と思う私はJKについてのアンコンシャスバイアスをもっていますが・・)と思いましたが、とても生き生きとした言葉で語られ、本人の思い出ではなくインドの状況が語られている内容でした。 

 

私自身がインドでの駐在歴(約7年)がありますので、この本を読んで、私の経験を合わせて深読みしていきます。  

 

インドの印象 

第一章 JK、インドへ行く 

 

JKは両親から「インドだって」と想定外の国の名前を言われ、即座にググりました。  

JKが想定していた国はアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアだったのですが、最終的に行先となったのはインドでした。  

JKは、2018年から2021年までインドで生活しました。 

 

私の2回目のインド駐在期間(*)とほぼ重なるので、JKのインド生活の補足説明をしたく思います。 

*2018年4月から2021年10月まで 

    

私の駐在歴

私は幸運?にも、2回の駐在をすることができました。  

1回目は2007年から2011年までで、当時のインドは私のイメージ通りでした。  

2回目は2018年から2021年で、近代化されたインドを感じましたが、コロナ禍に巻き込まれました。 

  

初めてインドに出張したのは1995年でした。  

その時のインド印象ですが・・  

・入国時にビビる(伸びる手) 

古い国際空港に到着して、出迎えの先輩に出会うまで、無数の人々が私に手を伸ばしてきて、私のトランクを奪おうとしているかのように感じました。  

実際は、私の荷物を持ってチップを請求したい人たちと、荷物の取り合いでした。 

 

・昼はマック(デリー市内の本社にて)

  

インドあるある マクドナルド・ビックマックは「マハラジャマック」に替わる

当時は昼食を食べる場所がなく(衛生的に)McDonald’s(マック)に行きました。   

今のメニューと大きな変化はありませんが、日本のビッグマック→マハラジャマック(チキン)です。 

牛肉は宗教的な理由で食べません。  

インドでは肉食(ノンべジ)と菜食(ベジ)がありますが、これは肉食マックです。 

 ナゲットはベジタブルナゲットを注文しました。  

中身は、カボチャと豆(だったはず。と古い記憶ですが) 

インドあるある インド『ベジタリアン』事情

 

・Suzukiの小型車で移動 色は白 

日本のスズキ自動車は、当時インド最大の自動車メーカーでした。  

1995年当時は、日本の旧型モデルをインドで販売していたのでとても古臭いイメージでした。  

車の色はほぼ白色でした。 

 

・工場の社員食堂に行く 

工場で、従業員向けの社員食堂でランチを(一度だけですが)食べました。  

2つの列があり(今から想像すると、肉食と菜食なのでしょうが)予備知識が少ない私は、インド人スタッフに話かけますが、全く通じず。  

食券がほしくて、ポケットから少額紙幣をだして交換してもらいましたが後で確認したら、それは10日分ほどの食券代に相当するらしく・・・  (インド物価事情はこちら

インド人スタッフが笑顔だった理由がわかりました。  

 

インドライフ 

第二章 JK、インドライフにビビり散らかす  

JKは市場に行き、大きな驚きがありました。それは「鮮度」についてです。 

 

私の経験談  

肉系は市場で捌きます。

ですから、日本のスーパーで買うよりもインドの市場で買ったほうが、鮮度は高いです。  

ただ、一部のお店は店先で捌くので少々エグいです・・・  

逆に、デリー(海がない)の魚は、氷の上に並べられています。  

しかし、魚の目を見る限り、今は氷の中だけど、さっきまで常温だったのではないの?と疑うほど、魚の目に元気がなく、かつ臭いのが少々きつかったです。 

      

インドは人種のルツボです。  

人種的には、北のアーリア系(肌が薄い茶色)と南のドラヴィダ系の(肌が濃い茶色)東は、タイ・マレーシア系と大きく分かれます。 

宗教的には ヒンズー教徒、イスラム教徒、キリスト教、シク教、仏教、ゾロアスター教などがあります。 

 

憲法では禁止されていますが、日々の生活にはカーストが絡みます。 

 

食事は、大きく肉食(ノンベジ:ノンベジタブル)、菜食(ベジ:ベジタブル)がありますが、卵を食べるベジタリアン(エッグタリアン)、コルカタ地区では魚を食べるベジタリアンなど多種多様です。   

 

インドグルメ 

第三章 インドグルメの沼に落ちる       

大家さんに夕食に招かれることがあります。   

(日本人的に)時間通りに大家さんを訪問すると、相手は何も用意をしておらず、インド式時間(少なくとも1時間ほど遅れて訪問する)の洗礼を受けます。 

  

私の経験談

私も大家さんに招かれるときは、罪悪感を感じながら「30分遅刻をしよう」と決心し、30分ジャスト遅れて訪問していました。  

食事は準備されておらず、紅茶とクッキーで1時間ほど雑談をしていると、女中さんが食事を運んできました。  

ベジタリアンの大家さんは、ナッツがついた卵なしのクッキーがテーブルに載ります。卵がないクッキーはすこしパサついており、紅茶を飲みながらたべるので、増々お腹が膨れる結果となります。

ここでのポイントは、インド人は皆お勧め上手なのです。  

食事前のクッキーが「旨い」というと、山ほどのクッキーを追加でもってきます。

そして「食べなさい」と命令口調で言うのです・・・  

食事前にお腹が膨れるというリスクがあります。 

 

会社スタッフの自宅に招かれる場合は、正直に何時に行ったらよいのか?と、本当に訪問すべき時間を聞いていました。  

奥様が作ってくれるカレーは、日本人が想像するカレーよりスパイシーでした。  

でも、味がきつくなく(スパイスがきつくない)とてもおいしかったです。  

理由を聞くと、インドのレストランで出されるカレーはスパイスがきついとのことです。  

それはレストランで独自色を出すために、スパイスが大量使用されることがあるからだそうです。  

それらは特に子供の体にはよくないので、自宅でのスパイスは少ないようです。 

 

ただ「今日は谷口さんが来てくれるので、ちょっとスパイスを増やしました」とのこと。  

つまり外食でインド食を食べている私には、本当の自宅のスパイスでは味が物足りないのでは・・と気をつかってくれた、とのことです。 

     

多様性と複雑性が渦巻くカオスの国 

第四章 JK、カオスを泳ぐ  

JKの街中での日々が、いろいろと書かれています。  

JKのインド生活3年間では、多くのカオスを感じたと思います。  

それが日印文化理解のきっかけになることを願いつつ、数年後に懐かしく感じることを願っています。 

 

私の体験談

インドで生活を始めると、すべてがカオスのように感じます。  

しかし、生活していると自分の判断基準が日本的からインド的に変わっていくのを感じます。  

といいますか、日本レベルでカオスを感じていてはストレスを多く感じるのです。  

だから、感覚レベルを変えてストレスを減らす、という対応をしていました。       

  

スラムでの経験 

第五章 JK,スラムにいく   

JKはボランティアでスラムに行きます。 

これはJKの人生観を大きく変えた時間だったと思います。 

すべての価値観をひっくり返すほどのさまざまな経験は、JKが今後、多様性の世界で生きていく際の大きな経験になるでしょう。 

  

私の体験談

私はインドの女子学校を訪問したことがあります。  

デリーから3時間ほど車で移動した街にあります。  

この学校への入学には親の収入が一定「以下」と決められています。  

日本的には「以上?」と思いましたが「以下」でした。  

つまり、その地区での女性(女子)を学校に通わせて学ばせ、社会的自立を促す、という目的です。

 

学校に通うと、生徒はある一定金額がもらえます。  

しかし、その金額は学校で積み立てられていて学校を卒業しないと受け取れません。  

ですから、親は(お金ほしさ、といっては語弊がありますが・・)娘を学校に通わせます。  

そこの女学生が学校のHPで語っていたことは「学校に行くことで、結婚しなくて済む」です。  

学校へ行っていない同年代の女子は、結婚して、子供を産み、自宅で牛の世話をする日々なのです。 

 

それと比較すると「学校で勉学ができる自分は幸せである」と書いてあったことに、インドの幼児婚の実態を見た記憶があります。 

  

 まとめ 

   

・「インドだから」ということはありませんが、相手国の文化と日本文化の違いを理解することは、国の優劣ではなく、違いを理解する上でとても重要なことだと思います。 

 その知識を持っていると、日々の生活で「大」炎上はありません。  

・スタッフと仲良くなるには「食事と宗教を理解する姿勢を見せる」と共通の話題ができる、というメリットがあります。  

そこでは、優劣ではなく、違いを理解することが重要です。 

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